『 兄ちゃん。前んしが水入れて温くなったけん、ちぃーっとバルブを開けたで 』
入れ替わりに出られるお父さんから、やさしいご挨拶。
それでも十分熱いお湯は、キシキシ感のある薄っすらお茶色。
ゆっくり長湯、暮れてゆく時間に比例して深みが増していきます。
湯上り後ベンチで一休みしてたら、ここに来られる人がみんな声をかけてくれます。
『 いいお湯やったかえ 』 『 はい・・・♪』
突然後ろの集会場から拍手、なんの集まりかな?
目の前をおばあちゃんが、ワンちゃんとお散歩中。
『 写真、撮ってもいい? 』
『 ジローちゃんはもうおじいちゃん、歩くのがやっと。18歳5ヶ月なんよ 』
西の空はいつの間にか茜色、共同温泉があるまちの今日が終わろうとしています。