お昼寝マンボウの日記

温泉・花たび・お外でランチ、とにかく何でも興味ありのデベソおいさん。日々の、拙い出来事を記録しちょります。

惹湯報告Vol.158『つらつら徒然の湯』

『そげぇ温泉に入っち、何んが楽しいんかぇ?』
時々聞かれるのでございますが『探すのが楽しいのです、これに尽きます』
そうお答えしております。情報誌などにはまったくご縁のない
地元の方だけがご利用される共同温泉(通称ジモ泉)や個人宅を
わずかな情報と自分のカンを頼りに、ただひたすら歩くのでございます。
そして逢えた時の喜び、運良く頂戴できれば至福の時間が待っています。


歩く視線の先にお爺ちゃん、垣根の剪定をされています。
『お父さん、寒いねー。きれいに刈っちょんなー』
『おおよ、こげせんと見栄えも悪りーきのぅ。正月も近けーし』
鋏の音が、小気味よいリズムを刻んでいます。
タイミングを見計らって『庭のアレ、温泉かぇ?』
『ああ、わしガタんのじゃ。アパートんしも、使こうきな』


小さな灯りひとつだけの薄暗い浴舎、先客に挨拶をしていただきました。
ボーッと温めのお湯に包まれていると、遠い昔かくれんぼして
潜り込んだ納屋の藁の感触や匂いを思い出し、他愛もないことなのに
何故か泪した今宵のおいさんでした。