『 爺ちゃん、誕生日おめでとう 』 話しの最中に、近所の方が来られました。
『 えっ、今日誕生日なんですか? 』 『 16日で、90歳になったんよ 』
プレゼントを渡しながら、耳が遠くなったAさんに変わって答えてくれました。
『 利用してくれよんしには申し訳ないんやけど・・・ 』
『 体も動かんくなったし、温泉の世話がだんだん出来んようになったけん 』
『 夏に入所する予定で、先月老人ホームの契約を済ませたんで 』
レンタン工場で働く人の、汚れを落としたり寛いでもらう目的で設立した温泉施設。
その後、なりわいの衰退から地域の生活の湯として開放されました。
それでも時代の流れは残酷、残念ですが来月末で廃止されます。
独立自家源泉を所有する私有私営温泉、歴史ある貴重な温泉文化遺産が
また一つこの町から消えていきます。