世間では仕事初め、ワシはのほほんとかの地へ。
いつもの事ながら、なんか呼ばれた気がして・・・。
『 わざわざ訪ねてもろうて、ありがとう 』
『 実はね、お役所が明日にでん取り壊しにはいるんで 』
『 もう50年以上経つけん、ずいぶん草臥れてしもうて・・・ 』
辺りは建物が撤去され、残っているお宅は2軒だけ。
年明けの仕事が動き出せば、運命は同じ。
『 市から借りて住んでいるんで・・・しょうがないんよ 』
『 そんなんでバタバタしちょって、なんもお構いできんけど・・・それでいいんなら 』
『 すみません、ありがとうございます♪ 』
おそらく以前は、市営住宅に住むたくさんの人達が利用していたはず。
外観から、男女別の湯小屋だと分かる。
でも現在、片方は物置にしているのか放置状態が淋しい。
また貴重な温泉文化の灯が消えていく、いたしかたない現実。
改めてその事を知らしめてくれた、時は待ってくれない・・・。