お昼寝マンボウの日記

温泉・花たび・お外でランチ、とにかく何でも興味ありのデベソおいさん。日々の、拙い出来事を記録しちょります。

惹湯報告Vol.460 『 惜別の湯 弐 』

何杯目かのジントニック、新しいグラスが差しだされ
カウンター越しにマスターが話しかけてきた。
『 お聞きしてると、あなた達は温泉がお好きなようですね 』
『 はいな。それも、普段入られないような所に惹かれるのでごわす 』
『 それなら、ここはご存知ですか? 』

あの日から5年、その場所を訪ねたのは数知れず。
今日こそはと、この想いが伝わるように願いながら駅前の道を下る。

赤く染まる源泉槽、街の中心部にわずか3軒だけが使う共同温泉の存在。
利用する時は自宅の中を通り抜けなければたどり着けない、何もかもが驚きだった。


 2年前、確かにお湯はあった。
『 温いから勧められん。お湯を入れるのは夜遅くやし、仕事が終わってから入るし・・・ 』
それからも事あるごとに出かけたが、そのうちにと言われながらそのままだった。
そして今年の6月 『 何度も来てもろうてすまんな、実はお湯が止まったんや 』
貴重な温泉文化の灯りが、またひとつ・・・消えた。あの時、無理してでもと悔やまれる。
けれど、歩く事を止めるつもりは・・・ない。
この街に、ファイティングポーズを下ろすつもりも・・・ない。