西方の遙か彼方にあるという極楽浄土を目指し、千日回峰行の満願祈念の旅立ち。
なんのこっちゃないぷらぷら歩き、友と旨い酒を酌み交わしたかっただけ。
極めて、単純な動機なのである・・・(アハっ)
んなら、鈍行列車で西へ行くべ!! 『 普通乗車券往復、お願いしま〜す 』
ホームに立てば、遠方までの切符購入が奇異に映ったのか、妙齢のご婦人が話しかけてきた。
『 あのぉ、各駅で行くの? 乗り換え大変じゃない? 時間もかかるでしょ? 』
『 うぬ、それが小生の望むところ。のんびり参るのも一考かと ・・・ 』
矢継ぎ早の質問に怯んだけれど、旅は道連れ世は情けじゃな。
温泉修行僧である事や、日本文化の継承をなりわいとする拙者にいたく興味を持たれたご様子。
豊後国分寺駅で降りられるまで話し込んだ彼女、後日著名な民族学者と知る。