お昼寝マンボウの日記

温泉・花たび・お外でランチ、とにかく何でも興味ありのデベソおいさん。日々の、拙い出来事を記録しちょります。

Vol.76 『 別府温泉遺産 追悼 』

開設は江戸時代、すでに200余年の歴史を刻む浴場です。
『2階建てでな、シャンデリアもあっち、そりゃぁ立派やったんで』
高等温泉と、名前も新たに改築されたのは明治45年。
『あん看板はな、帝展の先生が書いたんで。名前?・・・誰やったか忘れた』
お聞きした話は先々代あたりの記憶が精一杯、無理もありません。
お父さんもすでに、80をいくつか越えていました。
『そん当時は源泉が4本、大勢の人で賑わっちょったんで』


そんな温泉施設も、湯量や湯温の低下で今の場所に移築を余儀なくされ
たくさんいた組合員は先月末でわずか8軒。
久しぶりに訪ねたら、その場所になにもありません。
夏の陽が暑く眩しく照らす、白い更地だけでした。
豊後一の左官名工 『 安部 一雄 』 が手がけた浴槽。
またひとつ、別府の世間遺産が永遠の眠りにつきました。
涕涙なのか、源泉が細く涌いて、また母親のへに戻っていきます。