お昼寝マンボウの日記

温泉・花たび・お外でランチ、とにかく何でも興味ありのデベソおいさん。日々の、拙い出来事を記録しちょります。

惹湯報告Vol.338 『 湯のまち・坂のまち 』

小雨降る夕暮れ、遠い昔学校へ通った坂道。
懐かしさや年齢のせいもあるのか、自然と歩みはゆるくなる。
薄暗いビルの陰で、2人のお母さんが傘をさして立ち話。眼の端でやり過ごしたが、
その奥に古ぼけた建屋の淡い灯り。雨とは違う匂いも感じて・・・後戻り。


『 あのぉ、あれは温泉ですか? 』 『 私達が入る、共同なんよ 』
『 臨時で・・・お願いはできませんか? 』 『 ちょっと待ってて 』 と、裏口から店の中へ。
出て来た白い仕事着姿のまあるい亭主 『 ああ、いいで 』 と、やさしい目もまんまるだった。


狭くそっけない脱衣所、ゴボゴボと湯がそそがれるごく普通の浴槽。
雨を聞きながら、ほんのり色づいたお湯をいただく。

とても贅沢で幸せな時間、遠くで太鼓の音が 『 どぉお〜ん 』 と、鳴った・・・。