別府の町を超え明礬を過ぎると、
柔らかくやさしい起伏の丘が広がる。
春になれば一面に青い絨毯、天上に浮かぶ別世界。
そこから、さらに下れば天間の里。
昔、落武者が切り拓き住み着いたのが始まりだとか。
お腹を和まそうと訪れたカフェ、この日は店休日。
そこは、ゴニョニョの裏技でお邪魔。
『 あらぁ〜、よう来てくれたわね〜 』
大歓迎で迎えてくれた五十鈴ちゃん、超お久しぶり。
ご趣味の域を越えたトールペイント作品が、所せましに飾られた店内。
今は請われて、生徒さんをご指導するお師匠さんに。
おしとやかで、どこにいるのかわからない物静かだった彼女。
あれから幾星霜 ・・・ 。
病院の待合室で話す声の大きさに、医院長から注意されるほどの田舎おばさんに変身。
『 こちらへ、どうぞ 』 案内された、新設のゲストルーム。
温かいコーヒーと、手作りのアップルパイのもてなしをいただく。
窓の外は冬枯れの山里、まるで一枚の絵画。
ゆっくり流れる、贅沢なひと時。
ごちそうさま。ありがとう、また来るね。
『 あっ、お勘定 』
『 今日は定休日、お金なんか ・・・ 貰えんわ。ガハハハッ 』