お昼寝マンボウの日記

温泉・花たび・お外でランチ、とにかく何でも興味ありのデベソおいさん。日々の、拙い出来事を記録しちょります。

あっちとこっち

梅雨明けの太陽がまぶしく輝き、今日がゆっくりと始まった。朝9時前、今の気温は何℃だろう?そんなことを考えながら営業車を転がして目的地のB刑務所に近づくと、なにやらあやしげなご様子。黒塗りの高級車と百人ほどの黒服の集団。なんでも15年の刑期満了の方がご出所されるとの事。この暑いのに黒ずくめの出立、この世界でも動員があるのかしらん。まるで、任侠映画そのまま。横目で見ながら、おずおずと技官室へ向った。ここへは週に何度か、作業をお願いする為に出入りさせてもらっている。滅多にお目にかかれない貴重な体験が楽しみ(おおっとあくまでも仕事ですぅ)

何度か訪ねているうちに、中の様子が少しずつだけどわかってきた。この刑務所の適正定員は800人、でも現在未決を含めなんと約1200人の受刑者が収容されいろいろな作業に従事している。世の中の不景気を反映してか入所は引きも切らず、受け入れが追いつかないのが現状で、なんと現在人口密度緩和のため敷地内に新しい収容施設を建設中なのである。さて、ここからが本題。特にこの蒸し暑い時期、私は家に帰り着く前にとても我慢が出来ず、いつものS温泉に飛び込んでひとっ風呂。夏の常識である。でも受刑者の彼らは、どんな環境で生活しているのだろう? そして風呂・・?Y技官の話では風呂は3日おき、そして気になる入浴時間は15分間である。さっきスケジュール表を見て気づいたのだけれど、今の時期は暑くて汗もかくので、不定期に増入浴10分間が追加されていた。(おおーっ、カミソリは可!)あと重作業者用に、汚染入浴も別枠で組み込まれていた。これでもずいぶん改善されたそうで、10年くらい前の入浴は5日おきの1回だけだったとか。横一列に並び号令や笛の合図で脱衣から洗い入浴まで順序良く時間で管理され、映画でしか見たことのない光景が、本当に今でも行われているのだろうか。チョイ風呂・カラスの行水派には問題ないだろうけど、でもねぇー。もっと湯っくりつかりたいよー。おいら、こんなのは我慢できねーっ。ほんと!

たしかに受刑者自身の業で今があるのはまちがいないが、劣悪な環境での作業、常に管理された行動の連続、塀の外と内の極端な生活落差。せめて、彼らがここへ再び戻ることがないよう、また出所後時間を気にせずにゆっくり風呂や温泉を楽しむ事が出来ますよう、思わず目を伏せて祈ってしまった。甘いかな?ここへの訪問は、自分自身の生き方を振り返させてくれる、貴重で感謝しなければいけない時間となっていることに気がついた。さあてと、今日仕事が終わったら何処の温泉銭湯に行って汗を流そうかなぁ?・・うん・・? でもぉ、今日が始まったばかり、ちょっと早いかー!