お昼寝マンボウの日記

温泉・花たび・お外でランチ、とにかく何でも興味ありのデベソおいさん。日々の、拙い出来事を記録しちょります。

花 園 迷 嗅 事 件


『♪自分の匂いは懐かしい、でもォ〜お次の人のエチケット♪』

思い出しても身の毛のよだつ、おぞましくもおぞましい真夏の事件であった。いっそのこと永遠に封印してしまえばいいのだろうが、それが出来ないほどに強烈であった。忘れた頃にそいつは現れ、未だに私を苦しめておるのじゃ。こうして皆さんにお話するのも、はばかる・・・はばかる・・・はばかり・・・。まさに、憚り ( lavatory )= ( toilet )なのであった。ここまで読んでいただいた拙文、勇気のない方はどうぞご遠慮くだされ。拙者もこの先書き進めてよいものかどうか、ひっ!じょーに迷っておる。とくに・とくにお食事中の方は・・・・ムムムでごじゃる。

忘れもしない(本当は忘れたいのでござる)6年前の夏の昼下がり、O市内のスーパー銭湯での出来事でござった。当時、拙者はスーパー銭湯をいたく気に入ってのぅ、足繁く通っておったのでござる。サウナ、ジャグジー、露天などと至れり尽せり、湯上りはおつまみを食しながらの生ビールでプハーっ!!もう最高!!休日の午後を心ゆくまで、満喫しておった。その頃の拙者は幼くまだ本物の温泉などは知らなくて、最近巷で盛んに言われておる循環だろうが、加水だろうが、そんなことは知ったこっちゃなかったのでござる。休日の温泉三昧が気持ち良ければ、それはそれで良かったのでござった。

そんなささやかな楽しみをあいつは奪ったのでござる。拙者を陥れるために、何処ぞの隠密が仕掛けたのかあの憎き罠、今もって下手人はわかっておらず事件そのものは迷宮入りで風化しようとしている・・・。湯上りの生ビールを想像しながら、にやけた顔で露天風呂に浸かっておったところ、ほのかに懐かしい匂いが。しかしじゃ、よくよく匂いを分析してみれば、な・なんと迷う事なきあの匂いじゃった。ふやけた顔はにわかに曇り、眉間にしわを寄せあたりを見回すと、こともあろうに、こともあろうに・・・・・。露天の岩を枕代わりにして寛いでいた、拙者の頭のすぐ先にそいつはあった。植え込みに置かれた植木鉢に潜んでおったのじゃ。まだ仕掛けられたばかりの様子を呈して、色艶もよくてんこ盛りで、拙者のくつろぎを根こそぎ奪うには十分すぎるほどの量だった。目にした瞬間に、具体性からくる匂いは飛躍的に増大、視覚確認は500万画素に跳ね上がってしもおた。その後、いかようにしてあの場所から逃げのびたのかよく覚えておらぬが、何とか無事でござった。

何時また、人込に紛れこんだ不埒な刺客に襲われるやもしれぬ故、あの事件を教訓に、流行(はやり)の湯殿はなるべく避けるようにしておるのじゃ。きれいな花には棘がござった。身をもって体験したおぞましき花園迷嗅事件。あれ以来、あのスーパー銭湯には二度と近づくことが出来なくなっておる。

おのおの方、十分お気をつけ下されませ。