間隔を空けて 『ピ〜ん・ポ〜ん』 2度目の呼び鈴でようやく窓が開きました。
番台を兼ねた自宅のコタツで寝ていた婆ちゃん、起こしてゴメンね。
『なんかぇ?』 『風呂に入りたいのですが』 『100円なっ』 『は〜い♪』
昔は普通に入れたのですが、最近はジモ化して組合員とその縁故者のみ。
婆ちゃんのご機嫌が良かったのでしょう、お陰ですんなりいただけました。
爺ちゃんが話しかけてきました。『な、今日は温りーぃじゃろ』
そう聞けばなんとなく湯温が下がっているように感じますが、
外はポカポカ陽気『まぁ冬んごと寒ぅねえけん、こんぐれがちょうどいいでぇ』
共同温泉では方言で喋ると、相手の方も安心してか次々と話しかけてくれます。
きれいな湯船です。差し込む日を受けるとさらにキラキラ輝いて見える町の湯、
まあるい縁石は心まで穏やかにさせてくれました。