アパート住人専用の独立湯小屋、日差しを受け白く輝いている。
持ち回りで清掃、玄関先にさげられた風呂当番の木札が微笑ましい。
大家さんちを訪ねれば、おとん一人で草むしり 『 こんにちわー、見事やな〜 』
『 今年ん牡丹は、これしか咲かんかったんやわ 』 さわやかな風にツツジもゆらゆら。
湯口が二つあるおもしろいつくり、蛇口をひねれば贅沢にあふれる。
浴槽の縁や底に、子供たちが遊びながら貼りつけたようなタイルの花。
了承をいただき、温泉に体をゆだねて目をとじた。
『 ああ、極楽。ああ、しあわせ・・・ 』