取材前に、此花温泉を一人で訪ねた。
熱で曲がった入口の表示板、時計は午前12時過ぎで止まっている。
足元の瓦礫に気を付けながら中へ、溶けた脱衣カゴに言葉を失う。
窓のアルミ枠が火の勢いで内側に押しやられ、ガラスが散乱する浴室。
溶けて固まった蛍光灯だと、後で教えられるまで気づかなかった。
温泉前に焼け残ったベンチ、ここに座っての世間話はいつになるのだろう。
先日お届けした義援金、復興の一助にしていただければ幸い。
心の拠り所が大勢の方の笑顔に包まれる、
そんな日を一日でも早くと願わずにはいられなかった。