どこから見ても湯小屋に見えないこの物件
初めて会ったのは何時だったか、お父さんが長く入院されていたのでずっとキープ状態だった。
この日なんとなく予感、久しぶりに訪ねると玄関先で元気なお父さんを発見。
『 おごめ〜ん。お母さんに聞いてたけど、だいぶ良くなったん? 』
『 ああ、なんとか生き延びちょんわ 』
『 他でもねぇんやけど、風呂に・・・入らしちくれん 』
『 今は空やき、30分ぐらい待たんと湯が溜まらんでー 』 なんと即決♪
時代に取り残されてしまった共同温泉、現在利用しているのはこのお宅1軒だけ。
外観の印象と同様、質朴な浴室内部。
モーターの電源を入れバルブも開けてくれたお父さん、ありがとう。
少し温めのお湯が、心の奥にゆっくり沁みこんだ。