お昼寝マンボウの日記

温泉・花たび・お外でランチ、とにかく何でも興味ありのデベソおいさん。日々の、拙い出来事を記録しちょります。

Vol.569 『 無情の湯 』

通夜の帰り、式では押さえていた涙がこぼれた。
44歳、これからという時に・・・。
つい先日も、何度か電話で話したのが嘘のよう。
『 あんな。 サッカーしよん子供達の為に応援の旗を作るけん、相談にのっちょくれ 』


命あるものには、いずれ終わりがくる。
世の常だけれど、どこか心の中で割り切れないものがある。
ぼちぼちと、認識を改めなければ ・・・ 加齢四天王の己もしかりか。
それでも少しでも、先送りにしたいと願う。


国際的にも重要だと登録された、我がふるさとのある場所。
大規模リゾート構想の報道以来、ずっと気になっていた。
過日、訪ねてみると ・・・。
すでに第一期工事が完了、真新しい施設で営業が始まっていた。
今後、開発は平成26年まで続くという。
そんな、大きな波に飲み込まれてしまったのではと懸念していた。


久しぶりだったので、細かい枝道を何度も間違えて進む。
ようやく、仲良く畑仕事中のお父さんとお母さんを発見。
『 こんにちわー、ひょっとして ・・・ ○○さん? 』
『 そうで、ワシ方じゃ 』 『 温泉、まだあるん? 』 『 毎日、、使こいよんで 』
『 少しでいいから、お願い出来んかな ・・・ 』
『 婆さんが、いいち言うんなら 』 『 なん言いよんのかえ、あんたが決めない 』


         素朴な木の湯船に、金気を帯びた熱めの湯が溢れていた。
       
             足元を流れる小川、後ろはむき出しの土壁。
          原始の姿そのまま、生まれたての源泉を有り難くいただく。
         
            ああ。いつも、こんな風に穏やかに暮らせたら ・・・ 。